北海道の林道を車で走っていた。初めての場所、体験に心が躍る。
初日から私を出迎えてくれたのは美人な狐。車の前をゆっくりと歩き、十分ほど先導してくれた。
時折草藪に飛び込み、何かを食べている。ネズミでもいるのだろうか。
そっと車を降り、視線を低くしてカメラを構えると、この時を待っていたといわんばかりにポーズをとってくれた。
私が生き物を撮る際、基本的に中心に持ってくることは無い。あくまでも空間を構成する一要素としてまずは扱い、そしてその存在感が際立つように全体の構図を決めていく。
動いてしまうため焦りが生じる場合もあるが、冷静に動きを予測すると意図した構図を作れる。
フォーカスポイントを手動で選択することで、より意図を持って構成しやすくなる。
優しい顔と、絶妙なポージングをしてくれた狐に感謝だ。