PENTAX K-1 Mark II
一眼レフであることにこだわったカメラ
2016年4月28日、PENTAX初の35mmフルフレーム対応デジタル一眼レフとして誕生した PENTAX K-1。約3640万画素CMOSイメージセンサーと共にPENTAXらしい、堅牢性や操作性を備えたユーザー待望のカメラでした。
そのK-1にアクセラレーターユニットを追加しブラッシュアップしたのがMark II。K-1から約2年後の2018年4月20日に発売されました。時代はすでにフルフレーム対応ミラーレス一眼に趨勢が移りつつあったタイミングで、遅きに失した印象は拭えませんでしたが、2020年7月16日にPENTAX自身が発表したステートメントにもあるように「一眼レフ」にこだわった結果なのだと思います。
※2020年9月25日に1,000台限定の「PENTAX K-1 Mark II Silver Edition」が発売。本記事末尾にブラック/シルバーのボディ/レンズのコンビネーション例を掲載しています。
スペック表
主要なスペックをピックアップしてみました。(リコーイメージングより抜粋)
画素数 | 約3640万画素 |
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感度 | ISO AUTO/100~819200 |
手ブレ補正 | 撮像素子シフト方式(5軸補正) |
ファインダー視野率・倍率 | 約100%、約0.70×(50mmF1.4・∞) |
AF測距点 | SAFOX12、33点測距(中央25点はクロスタイプ) |
シャッタースピード | 1/8000秒~30秒 |
連続撮影 (フルサイズ最高画質時) |
最高約4.4コマ/秒、JPEG(L・★★★・連続H):70コマまで、RAW:17コマまで |
カスタムイメージ | オートセレクト、鮮やか、ナチュラル、人物、風景、雅(MIYABI)、ポップチューン、ほのか、フラット、銀残し、リバーサルフィルム、モノトーン、クロスプロセス |
質量 | 約1010g (バッテリー、SDカードを含む) |
負け犬の遠吠え?いえ、不器用なんです
率直なところ各社が力を入れるカメラたちと較べるとスペックシートで光るところが目立たない印象です。そして実際に使ってみてもその通りで、ややもすると他社のカメラに譲るところもある印象でした。(当時、私自身が他社のカメラを使っていてそのように感じました)
フィールドで頼れる堅牢性
しかしフィールドで使ってみるとその印象は覆ります。雨に濡れ泥にまみれ、時にはカメラごと沢に落ちたり、雪に埋もれたり、そんな環境で現場を見ながら画を作り込める頼もしさは他に代えがたい魅力にあふれています。
卓越した操作性
スペックシートに現れないK-1 Mark IIの良さは右手を通して伝わってきます。グリップを握った時に自然とアクセスできる位置に配置された3つのダイヤル(前後電子ダイヤル、スマートファンクション設定ダイヤル)、親指の動作範囲に沿った円弧状に配置された各種ボタン。画を作り込みながら撮影をするためのインターフェイスが突き詰められています。
万能ではない
フィールドを選ばない堅牢性や卓越した操作性が、カメラはあくまでフォトグラファーのイマジネーションを助けるツールであることをあらわしています。しかし一方で、K-1 Mark IIは万能なカメラではないのも事実です。
歴史あるKマウントといえど、豊富とはいえないレンズラインナップ。そしてAFポイントの変更にワンクッションを必要としたり、スピードも心もとないAF性能であったり。
それでも画を作り込むための優れた操作性に裏打ちされた撮影に没頭できるK-1 Mark IIのパッケージングは、私たちに世界は素晴らしいと教えてくれるに十分な魅力を持っています。