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フィールドカメラに誘われて

公開日:2020-11-16 ライター:タケル カテゴリ:カメラであそぶ

フィールドカメラで遊ぶラストチャンスかもしれない

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ちょうど1年ほど前のこと、不思議な縁で銀一株式会社の丹羽会長に大判フィルムカメラについて色々と教えていただく機会に恵まれました。4x5(シノゴ)に始まり、8x10(エイトバイテン、バイテン)、はては20x24なんて巨大なフィルムまで実物を見せていただきながら、写真は面白いしまだまだ知らない世界がたくさんあるんだと教わった1日でした。

そんな出来事から約1年。私は少しずつ準備をし、タチハラのフィルスタンドという大判カメラを山に持っていくことにしました。といってもそのカメラにセットされたのは、4x5のシートフィルムではなくホースマンのフィルムバックに装填された120ロールフィルム(中判)なんですが。

シノゴのカメラに中判フィルムバックをセットした理由は、シノゴをやろうやろうと考えて少しずつ道具は集めてみたものの、気がつけばフィルムという感材そのものが高騰を続け、中判でもいいから早くしないとこのカメラを使う機会を失ってしまうという焦りからでした。

山に立つ

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いきさつはとにかく、目標のひとつとしていたフィールドカメラを山で使うということを実行することにしました。

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場所は「FA Limitedと★(スター)レンズは何が違うの?錦繍の谷川岳を撮り歩いてみた」の記事と同じく谷川岳中腹のマチガ沢。一ノ倉沢ハイキングコースから分岐してコースタイムにして1.5時間ほど登った第一見晴からの眺めを撮影します。

今や一眼レフでさえ希少になりつつある2020年。急登の途中でこんなクラシカルなカメラを構えていれば気になって当然ですよね。登ってきた人たちにスクリーンを覗いてもらったり(距離に注意しながら)談笑したりしながら久しぶりの人との交流も楽しめました。

現像はフジフイルムのプロラボサービス「クリエイト」で

これまでフィルムの現像は会社の向かいにある写真店で通勤のついでにお願いしていたのですが、コロナウイルスの感染拡大で在宅ワークが中心になったこともあって別の方法を考える必要があります。

気がつけば自宅周辺にあった写真店もこの数年で姿を消し、困ったことにちょっと離れた場所にある全国チェーンぐらいしか見当たりません。そこで郵送で対応できるフジフイルムのプロラボサービス「クリエイト」にお願いしました。

デジタイズはRRSII(リアル・レゾリューション・システムII)で

待つこと3日、郵送したフィルムが戻ってきました。フィルムをデジタイズ(デジタル化)する方法はいくつかありますが、ここはペンタファン。ペンタックスのカメラを使って高精細にデジタイズすることにしましょう。

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LEDライトテーブルにフィルムを載せ、真上からマクロレンズを使って撮影します。今回は中判フォーマットの中でも最大サイズの6x9判。できるだけ高精細に撮影したいのでリアル・レゾリューション・システムIIを使用しました。(中判を35mmフォーマットで複写することの云々はひとまず置いておきます)

セッティングはいたって簡単。水平をしっかり確認してあとは自分が許せる限り大きく写るように高さを調節するだけです。ホコリだけは要注意(ホコリが入っていると後のレタッチが大変。フィルムの反りが強い時はアクリル板や無反射ガラスで押さえます)。

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そうしてデジタイズしたのがこちら。RRSIIの恩恵は素晴らしく、その場以上の臨場感をもった美しいリバーサルフィルムの質感を忠実に画像化してくれました。本当にリバーサルっていいものですね。

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この記事を書いたライター

タケル

ペンタファンの運営メンバー(編集長)です。作例写真の撮影から記事の執筆、運用を行なっています。山に登ったり燻製を作ったりネコを撫でたりするブログを書きながら(SpaceFlier)急に真顔で写真を語り(Imaging World)ます。