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人を写真の虜にしてしまう悪魔のレンズ - HD FA 43mmF1.9 Limited

公開日:2022-06-24 ライター:タケル カテゴリ:リミテッドレンズ

HD FA 43mmF1.9 Limitedというレンズ

2022年4月、私たちはペンタファン・ぱくたその地方創生コラボロケのため、岡山県北部の4市町を訪れていました。穏やかな山容の中国山地に抱かれるこの地域をじっくりと撮り歩こうと多くのカメラ・レンズを持ち込みましたが、私の心をつかんだのはスターレンズでも最新のLimitedである21mmでもなく、FA 43mmF1.9 Limitedという中途半端にも思える焦点距離の標準レンズでした。(実際に出番が多かったのは帰りに立ち寄った神戸の異人館街だったのはご愛敬)

※本撮影ではリコーイメージング株式会社よりお借りしたレンズを使用しています。

「標準」というぐらいなので、使い勝手がいいのはその通りなのですが、50mmでも35mmでもなく「43mm」というのが本当に絶妙なのです。35mm版フィルムの対角線長から来た43mmという焦点距離は、ちょうど50mmと35mmの中間でもあり、その二つの焦点距離で居心地の悪さを感じた人にこそ試してもらいたいレンズなのです。

ふらっと散歩をしながら「あ、ここいいな」と思った瞬間にカメラ構えると「ちょうど良く」収まる、騙されたと思って手にして欲しい一本がHD FA 43mmF1.9 Limited。小さくクラシカルな外観が油断をさそいますが、これはまさに悪魔のレンズと言えるでしょう。

気負わず切り取れる心地よさ

ロケ初日、もともとは関東からの移動日で撮影の予定にはなっていなかったのですが、せっかく桜が満開なのでとさくら祭りで賑わう鶴山公園(津山城趾)へ行ってみました。

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時刻は16時過ぎ。少し春の日が傾いてきて光にあたたかな色が乗ってきた頃合いです。出店や桜を楽しむ人々で和やかに賑わう空気を、肩肘張って切り取るのは野暮な気がして50mmのスターレンズではなく43mmのLimitedレンズを選んでみました。

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スターレンズに較べ柔らかい描写にくわえ、小さく、軽く、なによりも「いいな」と感じた瞬間をその場でスパッと気負わず切り取れる画角が心地良いのです。絞りを開け気味(F2.2)に撮れば、少し陽が傾き暮れ色を光に滲ませた空気もご覧の通り。

「撮りたい」と思った瞬間に構えれば得たかった構図がすでに収まっている。気をつかうのは絞り(被写界深度)だけで済むというのは、とにかく撮り手を気持ちよくさせてくれるのです。

工芸品のようなコントラストと滲み

ところで、画角の心地よさだけがHD FA 43mmF1.9 Limitedではありません。このレンズが悪魔的なのはコントラストと滲みのバランスが絶妙でもあるからです。

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先ほどとところ変わって、神戸の異人館街。言わずと知れた異国情緒を楽しめる観光地です。

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クラシカルな洋館をイメージさせるモチーフといえばガラスや窓と光のコラボレーション。コントラストと滲みの妙をまさに「情緒」たっぷりにバランス良く描き出してしまうのがHD FA 43mmF1.9 Limitedのもう一つの魅力なのです。

そしてダメ押しの魅力はその価格。コーティングがリニューアルされた2021年発売のHD版ですら、実売は5万円台なかば。高価格化が進むカメラレンズにあって、軽く、小さく、ハッとする描写を備えてなおサイフに優しい。そんなレンズを「悪魔のレンズ」と呼ばずにはいられません。

さぁ、あなたも悪魔の虜になってみませんか。

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この記事を書いたライター

タケル

ペンタファンの運営メンバー(編集長)です。作例写真の撮影から記事の執筆、運用を行なっています。山に登ったり燻製を作ったりネコを撫でたりするブログを書きながら(SpaceFlier)急に真顔で写真を語り(Imaging World)ます。