防滴のLimitedレンズで秩父の氷瀑へ迫る

公開日:2022-02-02 ライター:タケル カテゴリ:リミテッドレンズ

防滴構造を採用した待望のLimitedレンズ

こんにちはタケルです。早いもので2022年も1/12が終わってしまいました。COVID-19の影響で世界の有り様がすっかり変化する中、2021年11月12日にPENTAXから待望の新型Limitedレンズ「HD PENTAX-D FA 21mmF2.4ED Limited DC WR(以下、21mm Ltd)」がリリースされました。

この21mm Ltd、これまでのLimitedレンズと同様に非常に凝った外観であるのみならず、フィールド撮影に安心して持ち出せる防滴構造も採用しています。ならばと、数年来撮影の機会をうかがっていた氷瀑へ向かうことにしました。

※ 今回の撮影はリコーイメージングスクエア東京よりお借りしたレンズを使用しています。(PRSPの試用サービス)

大除不動滝

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21mmの超広角をもってしても3段の全景は収まらない

21mm Ltdを手に向かったのは埼玉県秩父市にある大除不動滝。秩父の冬場の観光スポットである三十槌の氷柱よりさらに山深い場所にあり、日中ほとんど陽が当たりません。荒川上流域で水量のある落差50mの大きな滝ですが、半分近く氷結します。

滝のそばにはトチノキの巨木や氷結した湧き水が作る様々な造形も見られ、強烈な冷気と裏腹に撮影欲はガンガン熱くなりますが、足下は非常に滑りやすいのでチェーンスパイクやアイゼンなどの装備は必須です。(今回は秩父の山域に精通している @alcinist 氏に安全確保などで協力いただいています。)

氷瀑へ迫る

カスタムイメージ:雅

自らの飛沫によって氷の玉座のような姿を見せる不動滝。斜面を大きく抉る三段の滝は21mmの画角でも収まりきらず、どう切り取るのか一歩ずつ足下を確認しながら探ります。一見、なんでもない落ち葉が積もった斜面も、その下に湧き出る清水や霜柱で油断はできません。

凍り付く湧き水
最短焦点距離が短く小さな氷柱の裏側にねじこめる

さて、この21mm Ltdは最短撮影距離が0.18mとかなり寄ることができるのも特徴です。足下を確かめながら滝へ近寄っていく途中、岩の隙間から湧き出した水が作った小さな氷柱やその裏側を撮影してみました。

標準や中望遠のマクロでも接写はできますが、周囲の状況を含めた近接撮影ができるのは広角レンズだからこそ。

氷の玉座のような滝の姿

じわじわと滝へ近寄りようやくいくつかポジションを見つけられました。滝や渓流の撮影ではシャッタースピードを伸ばして白糸のように流す撮影がポピュラーです。ここでももちろん試しましたが、この場に流れる厳しい冷気と荒々しさは飛沫があってこそと感じたのでシャッタースピードを優先することにしました。

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カスタムイメージ作例にて設定を公開しています

そうして最終的に決めたのがこのカット。@alcinist 氏にロープで安全確保をしてもらい、滝の真ん中まで下降して撮影した一枚です。

待望の超広角Limitedレンズは繊細な描写力で突き刺さるような冷たい空気までも写しきり、氷瀑の迫力をストレートに切り取るレンズでした。

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この記事を書いたライター

タケル

ペンタファンの運営メンバー(編集長)です。作例写真の撮影から記事の執筆、運用を行なっています。山に登ったり燻製を作ったりネコを撫でたりするブログを書きながら(SpaceFlier)急に真顔で写真を語り(Imaging World)ます。